【20代で合格】情報処理安全確保支援士試験-合格体験記-勉強法などの試験対策を紹介

情報処理技術者試験

大学時代、ITパスポートすら挫折した管理人が、
20代で情報処理安全確保支援士試験に合格した勉強法(午前対策、午後対策)や、
モチベーションの保ち方、試験当日の取り組み方を紹介します。

試験の概要

情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティスペシャリストの後継にあたる試験で、この試験に合格することで、IT系初の士業である「情報処理安全確保支援士(英:Registered Information Security Specialist、略称:RISS)」に登録する権利を得ることができます。

また、試験のレベルは、応用情報技術者試験(レベル3)より上のレベル4と同等の難易度で、日本国内で実施される情報セキュリティに関する資格試験では、最難関になります。

試験は春と秋の年に2回行われます。試験科目は午前1・午前2・午後1・午後2と4つに分かれており、すべてで60点以上をとることができれば合格となります。

雨男
雨男

試験当日も丸1日にわたる試験で集中力を保ち続ける必要があり、相当しんどいです。

試験に合格することで得られるのは「情報処理安全確保支援士に登録できる権利」で、合格しただけでは名乗ることはできません。安全確保支援士を名乗るには、別途手続きを行う必要があります。試験合格から手続きまでの期限は無いため、合格さえしていれば、いつでも登録はできます。

受験のきっかけ

大学時代は情報学部にいながら、ITパスポートの受験すら挫折していた私ですが、IT企業にシステムエンジニアとして入社し、勉強の必要性を強く実感しました。

重い腰を上げてようやく試験に向けた勉強を始め、
入社3年目で基本情報技術者試験に合格できましたが、同期の中では一番遅い合格でした。

その後は、与えられる仕事の重みや量も増していき、勉強に時間を割くことが難しい状況もありましたが、なんとか応用情報技術者に合格することができました。

応用情報技術者を合格後2年間は、より上位の試験区分にあたる高度情報処理技術者試験の午前1試験が免除されます。

雨男
雨男

「次も絶対に合格してやる!!」というよりは、「せっかく午前1試験が免除になるなら、合格は難しいと思うけど、もったいないから受けてみようかな。」くらいの感覚で高度試験を受けることにしました。

高度試験は、スペシャリスト系それ以外の試験に分かれており、それ以外の試験は午後が論文形式で難易度が高いため、スペシャリスト系(以下3つ)の試験を候補に絞りました。
 ・情報処理安全確保支援士(旧セキュリティスペシャリスト)
 ・ネットワークスペシャリスト
 ・データベーススペシャリスト

その中で、出題範囲が応用情報技術者試験の延長にあり、春と秋の年に2回受験できる情報処理安全確保支援士を受けることにしました。

試験対策(勉強方法)

記念受験程度に受けた1回目の試験ですが、思ったよりも善戦し(午後1が54点で不合格)、これはいけるのでは…?と、本気で合格を目指して勉強することにしました。

私が行った勉強法は、大きく分けて3点です。

No.勉強内容開始時期終了時期
1午前対策(過去問道場)初めから試験当日まで
2午前・午後対策(教本ベース)初めから
3午後対策(過去問実践)試験1か月前

午前対策

午前対策ですが、私は午前1が免除だったため、午前2のみ解説したいと思います。
午前2はセキュリティに関する知識を問われます。
午前2で出題される知識が、午後にも出てきますので、
午前をしっかり学習していないと、午後の問題文の意味すら分からないといった状況になります。
その為、私は午前の学習に全体の7~8割程度の時間を割きました。

午前の学習に使用した教材は2つです。

1.情報処理安全確保支援士過去問道場

午前問題は半分近くの問題が、過去と全く同じ形(問題文や、答えの記号も同じ)で出題されます。
情報処理安全確保支援士過去問道場は、セキュリティスペシャリスト時代を含めた、
過去全ての午前問題を解くことができます。
私は、過去10年分程の試験問題を9割以上正解するようになるまで、
ひたすら問題を解き続けました。

ここで意識したのは、以下のポイントです。

 ・問題文を見ると、反射的に答えが分かるようになるまで解く。
   →問題文を見ると「A」と即答できるレベルまで。
 ・答え以外の選択肢が、何を意味しているのか確認しておく。
   →過去問道場では、他の選択肢が何を意味しているか解説してくれます。選択肢以外の単語も理解しておくことで、午前の新規問題や、午後の対策に繋がります。
 ・最初の内(答えが反射的に分かるようになるまで)は、教本を見ながら解いていく。
   →最初は単語の意味も分からず、問題を解くことが苦痛に感じる事がある為、教本などを合わせて、ゆっくり理解しながら解いていくといいです。
 

2.セキュリティ技術の教科書

私が購入した本は、この1冊だけです。午前から午後の対策まで、この1冊で済みました。
ややこしい処理やプロトコルは図解されており、非常に分かりやすく学習することができました。

雨男
雨男

少々値段は高いですが、分かりやすく解説されており、この本のおかげで合格できたといっても過言ではありません。試験に合格することができた今でも目を通すこともあり、試験の為だけの教本ではなく、タイトルの通り、セキュリティの教科書として使うことができます。

午後対策

午後対策は、上記午前対策で紹介した「セキュリティ技術の教科書」での学習と、試験の1か月前からは、IPAのホームページで公開されている午後問題を解きました。

午後問題は選択ではなく、記述式の為、問題文を読んで答えを書いていく必要があります。
私は大量に字を書くことが苦痛だったため、PCを使って問題文のPDFを見ながら、
メモ帳に答えを書いていくといった方法で問題を解いていきました。

雨男
雨男

手書きじゃなくて、本番で大丈夫だろうか…?といった不安もありましたが、本番でも違和感なく解くことができました。

合格して分かったメリット・デメリット

合格なんて夢のまた夢と考えていましたが、上記勉強法で20代の内に、なんとか合格することができました。実際に合格して分かったメリットとデメリットを紹介したいと思います。

メリット

IT業界で働いていく上で自信に繋がる

仕事が忙しくなって勉強することができなくなると、担当する業務に関わる知識だけ積み重なっていきます。そうした知識は、他の会社や業務では役に立ちません。情報処理安全確保支援士に合格することで、客観的な視点で自分のITレベルを知ることができ、自信に繋げることができました。

意外と実務でも役に立つ

私が担当する業務はセキュリティメインではないため、セキュリティの資格を取得しても実務に役に立たないのでは?と思われるかもしれないですが、そんなことはありません。安全確保支援士では、ネットワークに関わる知識も求められ、そこで学んだ知識がリリース作業時のトラブルで役に立ったりと、得た知識を活かすことができています。

企業での必置化や独占業務が与えられるといった噂がある

日本としてセキュリティを強化していこう!といった取り組みが推進されているらしく、企業に安全確保支援士を置かなければならない(必置化)といった内容や、弁護士や税理士などのように独占業務が与えられるかも、といったがあります。

デメリット

試験の知名度が低い

試験を受ける前から薄々気づいてはいましたが、試験の知名度が非常に低いです。人に説明する時も、すぐに理解してもらえることは少ないです…
この点に関しては、試験ができて日が浅いことも影響していると思うので、今後、合格者数が増えてくるにしたがって解消されていくのではと期待しています。また、日本としてセキュリティを強化していこうといった取り組みを推進しているようで、安全確保支援士の必置化や独占業務などの制度ができれば、一気に知名度も増してくるのでは…!?と考えています。

モチベーションの保ち方

試験勉強は、どれだけモチベーションを高く保つことができるかが重要になります。ここでは、私が実際に行っていたモチベーションの保ち方を紹介したいと思います。

合格した自分をイメージする

合格したらどんな良いことがあるかをイメージすることで、モチベーションに繋げていました。
 ・会社で周囲から一目置かれる
 ・会社から報奨金が出る
 ・安全確保支援士として活躍!?

周囲に受験することを伝える

自分の周囲に試験を受けることを話すことで、合格しないと恥ずかしいといった状況を作っていきました。

試験当日について

試験当日は午前、午後合わせて4つの試験を受ける必要があります。

試験区分午前1午前2午後1午後2
9:30~10:20
(50分
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)

各試験の間には30分~1時間の休憩時間があります。ここで注意しなければならないのが、試験開始の15分前には着席して試験の説明や問題・解答用紙の配布が始まります。その為、実際の休憩時間は15分短くなります。また、各試験の終了後には解答用紙の回収時間がある為、さらに休憩時間は短くなります。
その為、昼休憩は40分程度、その他の休憩は10分程度と考えておく必要がります。

私は昼休憩にお腹一杯食事をしてしまうと、集中力に影響すると考えたため、昼食は腹半分程度にしておき、各休憩の合間に軽めの間食を取りました。

まとめ

合格までの道のりは決して楽ではありませんが、記事を読んで、少しでも合格を目指す方のお役に立てればうれしく思います。質問などありましたら、お問い合わせフォームからご連絡いただければ、可能な限り返信したいと思いますので、よろしくお願いします。

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